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2026.08.09
コラム

暑い夜に冷水を浴びても眠れる?!深部体温と睡眠の意外な関係

良い睡眠のためには就寝前に温かいお風呂に入ることが基本とされています。入浴によって一度体温を上げ、その後の体温低下が眠気を促すという仕組みはよく知られています。では逆に、冷水を浴びると眠れなくなってしまうのでしょうか。夏の暑い夜に冷たいシャワーを浴びたいけれど、眠れなくなるのが心配という方もいるのではないでしょうか。

2013年にロベイらが行った研究では、男性アスリートを対象に激しい運動後に約14℃の冷水に15分間浸かってもらい、その夜の睡眠を脳波で詳しく調べました。冷水浴後は深部体温が大きく低下し、就寝後も約90分間、他の条件と比べて深部体温が低い状態が続きました。体がしっかりと冷やされた状態で眠りにつくことになったのです。

気になるのはその睡眠への影響です。結果として、睡眠時間、寝つき、睡眠効率、睡眠の各段階のいずれにおいても、冷水浴をしなかった場合と比べて差は見られませんでした。つまり冷水浴によって睡眠が悪化することはなかったのです。体が冷えた状態でも、睡眠の質は保たれていたという結果は、冷水浴イコール睡眠に悪いというイメージを覆すものといえます。

さらに2021年のショヴィノーらの別の研究では、冷水浴をした夜に脳波上の短い覚醒が約25%少ないという結果が報告されています。睡眠時間や寝つきには差がなかったものの、眠りの途中で脳が目覚めかける反応が減少したということは、睡眠の深さや連続性という観点では冷水浴がむしろ良い方向に働いた可能性を示しています。

なぜ冷水浴をしても睡眠が悪化しないのでしょうか。良質な睡眠には深部体温が下がることが重要とされていますが、冷水浴によって深部体温が低下することで、温かいお風呂とは異なるアプローチながらも同様の効果が得られている可能性があります。体温を上げてから下げるという温かいお風呂のルートとは異なりますが、冷水浴によって直接的に深部体温を下げるルートも、睡眠への移行を妨げないことが示されたのです。

ただしこれらはあくまでも男性アスリートを対象とした研究であり、一般の方への推奨として直接当てはめることには注意が必要です。激しい運動後の体の状態と、日常生活を送る一般の方の状態では体の反応が異なる可能性があります。また冷水浴に慣れていない方や、体質によっては冷水が体への負担になることもあります。

基本はやはり就寝1〜2時間前の温かい入浴です。体を温めてから体温が自然に下がる過程が、スムーズな入眠を促す最も確実な方法として研究でも支持されています。ただし夏の暑い夜に冷たいシャワーを浴びたいという場面では、少なくともアスリートの研究においては睡眠を大きく妨げるわけではないという知見は、ひとつの参考になるかもしれません。自分の体の感覚を大切にしながら、その日の状況に合わせた入浴を選んでみてください。

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