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2026.08.02
コラム

おやつが増えて野菜が減る―子どもの食習慣を変えていたのは睡眠時間だった?!

「最近お菓子やジュースばかり欲しがる」「野菜を残すことが増えた」そんな子どもの食の変化に悩んでいる保護者の方はいませんか。食の好みや意志の問題だと思いがちですが、実は睡眠時間がその背景に関わっている可能性があることが、複数の研究から明らかになっています。

2022年にハートらが行った研究では、8〜11歳の37人の子どもを対象に、睡眠を長くする週と短くする週を体験してもらいました。その結果、睡眠が短い週は夜8時以降の摂取カロリーが132キロカロリー増加し、砂糖入り飲料の摂取量も1日あたり35キロカロリー多くなったことが報告されています。睡眠時間が変わるだけで、同じ子どもでも夜間の食べ方がこれほど変わってしまうのです。

さらに大規模な調査でも同様の傾向が確認されています。コルドバらが7万2,054人を分析した研究では、睡眠が短い子どもほど間食や炭酸飲料の摂取が多く、一方で野菜や果物の摂取が少ない傾向がみられました。睡眠不足が単に食べる量を増やすだけでなく、食べるものの質まで変えてしまうというのは、見逃せない事実です。

なぜ睡眠不足が食の選択に影響するのでしょうか。研究では、平均5歳の子ども1,008人を対象に調べたところ、睡眠が短いほど食べ物への反応が強い傾向がみられました。一方で、満腹感への反応とは関連がみられなかったという点が特に重要です。つまり睡眠不足の子どもは「食べたい」という欲求が強くなる一方で、「もうお腹いっぱい」というブレーキが効きにくい状態になっている可能性があるのです。

この背景には、睡眠不足が食欲に関わるホルモンのバランスを乱すという仕組みがあります。睡眠が不足すると食欲を増進させるグレリンというホルモンが増加し、食欲を抑制するレプチンというホルモンが減少することが知られています。大人でも同様のことが起きますが、成長途上にある子どもの体はこうしたホルモンバランスの乱れに特に影響を受けやすいと考えられています。さらに脳の前頭前野の働きが睡眠不足によって低下すると、衝動的な食の選択を抑える力も弱まります。目の前の甘いものや好きなお菓子に対して「食べすぎてはいけない」という判断が難しくなるのです。

夏休みは生活リズムが乱れやすい時期です。学校がない分、就寝時刻が遅くなり、睡眠時間が短くなりやすくなります。夜更かしをすれば当然夜間の摂取カロリーが増え、翌朝は起きられずに朝食を抜き、日中にお菓子や甘い飲み物で補うという悪循環が生まれやすくなります。食習慣の乱れと睡眠の乱れは、互いに影響し合いながら悪化していく傾向があるのです。

子どもの食の変化を見て「好き嫌いが増えた」「意志が弱い」と判断する前に、まず睡眠時間を確認してみてください。十分な睡眠を確保することで、食欲のホルモンバランスが整い、野菜や果物を自然に受け入れやすくなる可能性があります。夏休みこそ、食事の内容だけでなく眠る時間も含めた生活リズム全体を見直す機会にしてみてはいかがでしょうか。子どもの食習慣を整えたいなら、まず睡眠から。そのシンプルな視点が、夏休み明けの健康な体づくりへの第一歩になるはずです。

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