睡眠コラム|睡眠不足でプロテインが無駄になる?!筋トレする人が知っておくべき眠りの話
筋トレをしている方の中に、プロテインや食事管理には徹底的にこだわっているのに、睡眠はなんとなく後回しにしているという方はいませんか。実は睡眠の質と量は、筋肉の成長に直結していることが研究から明らかになっています。どれだけ追い込んだトレーニングをしても、睡眠が不十分であればその効果が大きく損なわれてしまうのです。
2020年にサナーらが行った研究では、4時間睡眠を5日間続けるとタンパク質合成が19%低下することが報告されています。成人男性に換算すると、1日あたりプロテイン1杯分に相当する約17グラムのタンパク質が失われている計算になります。毎日欠かさずプロテインを飲んでいるのに、睡眠不足によってその分がまるごと無駄になってしまっているとすれば、見過ごすことのできない事実です。
さらに睡眠の量だけでなく、質も筋肉に影響することがわかっています。2023年のソンらの研究では、睡眠時間は一定でも睡眠の質のみが低下した人を身体計測したところ、筋肉量が140グラム減少していたという結果が報告されています。時間を確保すれば十分というわけではなく、深く質の良い眠りでなければ筋肉への恩恵は得られにくいのです。
なぜ睡眠が筋肉の成長にこれほど重要なのでしょうか。筋肉を合成するためには、成長ホルモンをはじめとするホルモンバランス、自律神経の状態、そして体内時計のリズムが適切に整っていることが必要です。これらをすべて整える役割を担っているのが睡眠です。特に深い睡眠の段階では成長ホルモンが多く分泌され、トレーニングで傷ついた筋繊維の修復と再生が進みます。睡眠はトレーニングの休息時間ではなく、筋肉が実際に作られる時間といっても過言ではありません。
筋トレの効果を最大限に引き出すためには、トレーニング内容や食事管理と同じ熱量で睡眠にも向き合うことが大切です。追い込んだ翌日ほどしっかりと眠ることが、次のトレーニングへの最良の準備になります。就寝前のスマートフォン使用を控える、寝室の温度や光環境を整える、就寝時間を一定に保つといった基本的な睡眠習慣を意識するだけでも、睡眠の質は変わってきます。「筋肉は眠っている間に作られる」という言葉があります。トレーニングでの刺激と十分な栄養、そして質の良い睡眠の三つが揃って、はじめて理想の体づくりが実現します。今日からは睡眠もトレーニングの一環として、真剣に取り組んでみてください。