
「早く寝なきゃ」と思いながら、気づけば深夜1時。そんな夜ふかしが、たった4.75ドルのごほうびで変わったとしたら、信じられるでしょうか。しかもこの仕組みは、睡眠だけでなく、ある意外なものにまで効果が出ました。まずは、学生の睡眠の実態から見ていきます。
学生といえば夜ふかし、というイメージはデータにも表れています。米国の大学生の睡眠時間は平均6.6時間でした。7時間以上眠れた夜は全体の約43%にとどまります。つまり、半分以上の夜が睡眠不足ぎみという状態です。では、この習慣は変えられるのでしょうか。
研究では、ごほうびで夜ふかしを変えられるかを検証しました。平日に7時間以上眠ることを目標に、4週間取り組んでもらいます。いつもより1時間早い就寝時刻を設定し、達成できた朝にはすぐ4.75ドルを渡す仕組みです。
結果、7時間以上眠れた夜は相対的に26%増えました。睡眠時間は平均19分のび、夜のスマホ時間も減り、就寝時刻も早まっています。19分は小さく見えますが、平日5日で約1.5時間分です。休日の寝だめに頼らなくても、睡眠不足が少しずつ減っていく計算になります。夜のスマホ時間まで減ったのは、うれしい副産物でした。
そして、冒頭で予告した「意外なもの」が、成績です。大学の成績もわずかに向上しました。しかも、成績そのものにごほうびを出す方法と比べて、効果は約2倍、費用は4分の1以下でした。成績を上げたいなら成績を狙うより、先に睡眠を整えるほうが効率のよい近道だったのです。
ただ、ごほうびをやめたらすぐ元に戻るのでは、と思いますよね。そこも調べられています。4週間のあとも、睡眠時間は平均8分長いままで、就寝の規則性にも改善が続きました。ごほうびをきっかけに、早く寝るリズムが残ったと考えられます。ちなみに、ごほうびを「すぐ」渡す必要があるかどうかは、意外とそうでもないのかもしれません。
この研究が示すのは、睡眠習慣は気合いより仕組みで変えられるということです。今夜から試せる小さなごほうびを挙げます。
ポイントは、まず「いつもより1時間早い就寝時刻」を決めることです。ごほうびは、その目標を達成した朝に用意します。
夜ふかしは意志の弱さではなく、仕組みがないだけかもしれません。今夜、明日の朝のごほうびを先に決めてから、布団に入ってみませんか。