
寝る前についスマホを見てしまい、気づいたら深夜になっていた。そんな経験、誰にでもあるのではないでしょうか。「スマホをやめなきゃ」とわかっていても、なかなかやめられないのが現実です。そこで試してほしいのが、「やめる」ではなく「足す」という発想です。寝る前の習慣にただ読書を加えるだけで、眠りが変わるかもしれないことが研究から示されています。
フィニュケインらの2021年の研究では、寝る前に15〜30分の読書を7日間追加するだけで、眠りの質に変化が生まれました。7日後に「眠りが良くなった」と感じた人の割合は、読書ありのグループで42%、読書なしのグループで28%。その差は14ポイントで、統計的にも意味のある差として確認されました。
さらに見逃せないのが、「睡眠が悪くなった」と感じた人の割合です。読書ありのグループでは10%、読書なしのグループでは16%と、読書をしたグループの方が悪化した人も少ないという結果でした。読書が眠りを良くするだけでなく、悪化を防ぐ方向にも働いていた可能性があります。
なぜ寝る前の読書が睡眠に良い影響をもたらすのでしょうか。スマホや動画は次々と新しい情報が流れ込み、脳が受け身のまま刺激を受け続ける状態になりがちです。一方、読書は自分のペースで言葉を追い、想像しながら読むという能動的な行為です。この穏やかな集中が脳をリラックスさせ、就寝前の心の切り替えとして機能すると考えられています。
「毎晩30分読書する」と決めると続かないこともあります。まずは数ページから始めるだけで十分です。スマホを手放せなくても、読書を先に始めることでスマホを見る時間が自然と後ろにずれていくかもしれません。やめるより足す方が、習慣として定着しやすいのです。今夜の寝る前、枕元に一冊置いてみてはいかがでしょうか。