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2025.12.21
コラム

睡眠コラム|アラーム音を変えるだけで、朝のストレスが減るかもしれない

毎朝聞くアラーム音を聞くだけで、なんとなく気分が沈む、体が緊張する、そんな経験はありませんか。それは単なる寝起きの悪さのせいではなく、脳がそのアラーム音をストレスと結びつけて記憶してしまっているからかもしれません。

2023年に河野らが行った研究では、朝の起床が苦手で普段のアラーム音を不快と感じている大学生を対象に、実際に使用しているアラーム音の影響を調べました。参加者に普段使っているアラーム音と普段使っていない別のアラーム音をそれぞれ1分間聴いてもらい、唾液中のアミラーゼという物質を測定しました。アミラーゼはストレス状態になると増加する物質で、客観的なストレス指標として活用されています。

その結果、普段使っているアラーム音を聴いたときの方が、別の音を聴いたときよりもストレス反応が高くなることがわかりました。同じアラーム音でも、毎朝つらい思いをしながら聞き続けてきた音は、脳の中でストレスや不快感と強く結びついてしまっているのです。つまり音そのものに問題があるのではなく、その音と毎朝の不快な起床体験が繰り返されることで、条件反射的なストレス反応が形成されてしまっているということになります。

この現象はパブロフの条件反射と同様のメカニズムによるものです。つらい起床が続くほど、そのときに聞こえていたアラーム音が「危険を知らせる音」として脳に刷り込まれていきます。その結果、目が覚める前からすでにストレス反応が始まってしまい、朝の気分がさらに悪くなるという悪循環が生まれてしまうのです。

興味深いのは、最初は好きだった曲でもアラームとして毎朝使い続けることで、同様の反応が起きる可能性があるという点です。お気に入りの曲をアラームに設定したのに、いつの間にかその曲を聴くたびに気分が重くなってしまったという経験をした方もいるのではないでしょうか。大切な曲をアラームに使い続けることは、その曲への印象を変えてしまうリスクもはらんでいるのです。

この研究が示す実践的な対策としては、定期的にアラーム音を変えることが挙げられます。同じ音を使い続けることでストレスとの結びつきが強まるのであれば、不快感が積み重なる前に音を切り替えることが有効です。また急に大音量で鳴り出すタイプのアラームよりも、徐々に音量が上がるタイプや、自然音などの穏やかな音で起こしてくれるタイプのアラームに変えてみることも、朝のストレス反応を和らげる方法のひとつです。

毎朝の目覚めは一日の始まりです。アラーム音ひとつを見直すだけで、朝の気分が少し変わってくるかもしれません。

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