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2025.07.06
コラム

睡眠コラム|夏の寝具は「冷感」だけ見ていてはダメ。

蒸し暑い夜、どれだけ疲れていてもなかなか寝つけない、夜中に暑くて目が覚めてしまうという経験は誰もがしたことがあるのではないでしょうか。夏の睡眠の質を左右する要因のひとつが寝具の選び方です。最近は「冷感機能」をうたった寝具が数多く販売されていますが、ひと口に冷感機能といっても、実はその仕組みにはいくつかの種類があります。正しく理解して選ぶことで、夏の眠りが大きく変わるかもしれません。

そもそもなぜ夏の睡眠に冷感機能が重要なのでしょうか。それは深部体温と睡眠の関係にあります。体の内部の温度である深部体温は、日中に高く夜間に低くなるリズムを持っており、この深部体温が下がることで眠気が訪れ、質の良い睡眠へとつながります。夏の蒸し暑い環境では深部体温がなかなか下がらず、眠りにつきにくくなってしまいます。冷感機能のある寝具は、この深部体温の低下をサポートする役割を担っているのです。

冷感機能には大きく分けて三つの種類があります。

①「接触冷感」素材に触れた瞬間に熱が素材側へ移動することで冷たさを感じる仕組みです。ひんやりとした感触として真っ先に実感しやすい機能です。

②「吸湿冷感」汗を素早く吸収して湿度を抑えることで冷たさをもたらします。汗をかきやすい夏の夜に特に効果を発揮します。

③「持続冷感」体から発せられる熱を外へ逃がし続けることで冷たさをキープする機能です。これらを組み合わせることで、より高い冷感効果が期待できます。

素材の観点からは、ナイロン系や冷感レーヨンが冷感機能の高い素材として挙げられます。熱伝導率が高いナイロン系は接触した瞬間のひんやり感に優れており、吸湿性の高いレーヨンは汗をかきやすい蒸し暑い夜に特に向いています。素材の特性を理解したうえで選ぶことで、自分の体質や寝室環境に合った寝具を見つけやすくなります。

寝具を選ぶ際にひとつの指標となるのが「Q-max値」です。これは最大熱吸収速度を示す数値で、暖かい人工皮膚と素材を接触させたときの初期の熱移動量を計測したものです。単位はW/cm²で表され、0.1未満では冷たさをほとんど感じにくく、0.3以上になると明確に冷たいと感じられる素材とされています。店頭や商品ページでこの数値が記載されている場合は、ひとつの目安として参考にしてみてください。ただしQ-max値はあくまで接触した瞬間の冷たさを示す指標であり、冷感の持続性は考慮されていない点には注意が必要です。初めのひんやり感だけでなく、夜通し快適に眠り続けられるかどうかも合わせて確認することをおすすめします。

寝苦しい夏の夜を乗り越えるためには、エアコンや扇風機といった室温管理と合わせて、寝具の冷感機能にも目を向けることが大切です。接触冷感・吸湿冷感・持続冷感のどの機能が自分の睡眠スタイルに合っているかを考えながら、Q-max値も参考にしつつ、今年の夏の寝具を選んでみてください。深部体温をしっかりと下げられる環境を整えることが、暑い夜でも質の良い眠りを手に入れるための確実な一歩です。

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