
寝室の壁や寝具の色を、深く考えずに選んでいるという方は多いのではないでしょうか。好みのインテリアや流行のカラーを取り入れることも大切ですが、実は寝室の色が睡眠の質に直結していることが、大規模な調査から明らかになってきました。快眠のための色選びという視点を、一度取り入れてみてはいかがでしょうか。
ブレインスリープが2024年に行った10,000名を対象とした調査では、最も睡眠の質が高かった寝室の色はホワイト系という結果が出ました。白やオフホワイトといった色は視覚的な刺激が少なく、脳を穏やかな状態に保ちやすいとされています。眠りにつくためには脳や体をリラックスさせることが重要ですが、余計な刺激の少ない色に囲まれることで、自然とその状態に近づきやすくなるのです。オフホワイトやベージュ、アイボリーといったアースカラーも同様の効果が期待でき、温かみがありながらも落ち着いた雰囲気を寝室にもたらしてくれます。
また、トラベロッジ社が2013年に2,000世帯を対象に行った調査では、最も睡眠時間が長かった寝室の色はブルー系という結果が報告されています。青は海や空を連想させる色であり、見るだけで心拍数や血圧が下がり、リラックスを促す副交感神経が優位になりやすいとされています。副交感神経が優位になることで体が休息モードに切り替わり、スムーズに眠りへと誘われやすくなるのです。薄いブルーやグレイッシュブルーなど、落ち着いたトーンの青であれば、寝室に取り入れやすく視覚的にも穏やかな印象を与えてくれます。
一方で、寝室に使うことを避けた方がよい色もあります。赤や紫、黒といった色は、心拍数を高めて交感神経を優位にしやすいとされています。交感神経は体を活動モードに切り替える働きを持っているため、これらの色に囲まれた環境では注意力や覚醒度が上がりやすく、眠りにつきにくい状態になってしまいます。赤はエネルギッシュで情熱的な印象を与える色として人気がありますが、その刺激の強さがまさに寝室には不向きな理由でもあります。アクセントカラーとして少量使う程度であれば問題ないかもしれませんが、壁や寝具のメインカラーとして取り入れることは避けた方が無難です。
もちろん、色の影響は個人差もあり、すべての人に同じ効果があるとは限りません。しかし大規模な調査の結果として、ホワイト系やブルー系が睡眠に良い傾向があり、赤や紫・黒が睡眠を妨げやすい傾向があるというデータは、寝室のカラーコーディネートを考えるうえで参考にする価値があります。
引っ越しや模様替えのタイミングはもちろん、寝具やカーテンを新調する機会にも、色が睡眠に与える影響を意識してみてください。壁の色をすぐに変えることが難しくても、ベッドカバーやクッション、カーテンの色をホワイト系やブルー系に切り替えるだけでも、寝室の雰囲気と眠りの質が変わってくるかもしれません。毎晩過ごす寝室だからこそ、眠りを助ける色で整えることが、快眠への確実な一歩になるはずです。