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2026.05.28
睡眠相談

「寝ているのに、疲れが取れていない」宇田幸矢選手が睡眠相談で気づいたこと

卓球日本代表・宇田幸矢選手(NTT東日本協賛)へ睡眠相談を実施しました

卓球日本代表の宇田幸矢選手から、「睡眠に悩んでいる」とのご相談をいただいたことをきっかけに、今回スリーププランナーによる睡眠相談の場を設けさせていただきました。今回の相談では、宇田選手の主観的なお悩みに加え、事前に取得いただいた客観的な睡眠データも活用し、睡眠時間だけでなく、睡眠の質、就寝・起床のリズム、寝る前の過ごし方、海外滞在時の睡眠リズムなどについて確認しました。

睡眠は、誰にとっても身近なものです。しかし、自分の眠りを客観的に見直す機会は、意外と多くありません。特にアスリートの場合、日々の練習や試合、移動、海外滞在、試合前の緊張感など、睡眠に影響する要素が重なりやすくなります。だからこそ、単に「何時間寝たか」だけではなく、「どのように眠れているのか」「日中のコンディションとどうつながっているのか」を見ていくことが大切です。

今回の睡眠相談では、宇田選手の普段の睡眠に対する意識や、実際の睡眠データから見えてきた特徴を確認しながら、今後のコンディションづくりにつながるヒントを一緒に整理していきました。

宇田選手が感じていた睡眠の悩み

相談のはじめに、スリーププランナーから睡眠の悩みについて尋ねると、宇田選手は「時期による」と話してくださいました。調子よく眠れる時もあれば、なかなか眠れない時もある。特に、試合前やプレッシャーがかかっている時期には、寝つきに時間がかかったり、夜中に目が覚めたりすることがあるとおっしゃっていました。こうした睡眠の乱れは、海外滞在中だけでなく、日本にいる期間でも起こることがあるそうです。

睡眠が悪かった時の影響について尋ねると、宇田選手は「やっぱりパフォーマンスは下がる」と話しました。集中力が続きにくい、疲れやすいと感じることもあり、普段から睡眠時間を確保することは意識されているそうです。

睡眠に対してまったく無頓着なのではなく、むしろ、競技生活の中で睡眠の重要性を感じており、課題を解決したい。今回の相談は、そうした宇田選手の睡眠を、データと照らし合わせながら整理していく時間になりました。

———睡眠時間は取れている。一方で見えてきた“質”と“規則性”の課題

今回の睡眠相談では、睡眠を「量・質・規則性」という3つの観点から確認しました。

睡眠の「量」は、どれくらい眠れているか。いわゆる睡眠時間にあたります。「質」は、寝つきや中途覚醒、深い睡眠、眠りの安定感などに関わります。そして「規則性」は、就寝時刻や起床時刻、睡眠リズムが日によってどれくらい安定しているかを見るものです。

宇田選手の場合、睡眠時間そのものは比較的しっかり確保できていました。これは大きな強みです。忙しい競技生活の中でも、睡眠時間を意識して取ろうとしていることがうかがえました。一方で、データを見ていくと、課題として見えてきたのは「質」と「規則性」でした。睡眠時間は取れているものの、眠りの深さやリズムのばらつきには改善の余地がありました。スリーププランナーからは、「時間は確保できている一方で、質と規則性を整えることが今後のポイントになりそうです」と伝えました。

この見立てに対して、宇田選手も、自分の感覚と重なる部分があったようです。睡眠時間は取っているはずなのに、疲れが取れきらないと感じることがある。その背景には、単なる睡眠時間だけでは見えにくい、眠りの質やリズムの問題が関わっている可能性があります。

———世界選手権や海外滞在によるリズムの変化

宇田選手は、世界選手権をはじめ、海外滞在の機会も多くあります。海外での試合や滞在では、時差や移動、試合スケジュールなどによって、どうしても睡眠リズムが変化しやすくなります。相談の中でも、海外滞在中は到着直後と滞在が進んだ時期で眠気の出方が変わること、試合日程によって寝る時間が変わることなどが話題になりました。これまで時差や海外滞在時の睡眠について、太陽を浴びることや食事の時間を整えることは意識していた一方で、「細かいことまで考えたことはなかった」と話していました。

「気合いだと思っていた」

この言葉は、アスリートらしい率直な表現でもあります。もちろん、競技の現場では気持ちや集中力が大切な場面も多くあります。ただ、睡眠のリズムは気合いだけで整えるのが難しい部分もあります。だからこそ、光、食事、入浴、寝る前の過ごし方など、自分で調整できる要素を少しずつ整えていくことが、コンディションづくりの助けになります。

———寝る前の入浴に見えた改善ポイント

今回の相談で、特に注目したのが、寝る前の過ごし方です。ここ数か月で湯船につかることが増えていた一方で、寝る直前に入浴して、そのまま寝ることもあると話してくださいました。そして、その時の感覚として「お風呂にギリギリに入る時は寝られない」と感じたこともあったそうです。この感覚は、睡眠の仕組みから見ても大切な気づきです。眠りにつく時、体の内部の温度である深部体温は自然に下がっていきます。入浴には、一度体を温めたあと、深部体温が下がっていく流れをつくる役割があります。しかし、寝る直前に体を温めすぎると、体温が下がりきらないまま寝床に入ることになり、寝つきにくさにつながる場合があります。

そこでスリーププランナーからは、寝る直前ではなく、就寝の少し前に入浴を済ませ、体温が下がる時間を確保することを提案しました。目安としては、寝る90分ほど前に入浴を済ませること。もちろん、練習や移動、日々のスケジュールによって毎回同じように行うことは難しいかもしれません。それでも、「寝る直前に体を温めすぎない」という視点を持つだけでも、就寝前の過ごし方は変えやすくなります。

宇田選手自身も、寝る直前の入浴で寝つきが悪くなる感覚があったため、この説明には納得している様子でした。データと自分の感覚がつながることで、「なぜそう感じていたのか」が整理されていきます。

———スマートフォンや動画視聴との付き合い方

就寝前のスマートフォンや動画視聴についても話題になりました。寝る前にスマートフォンを見ること自体は、多くの人にとって日常的な習慣です。ただし、睡眠の観点では、画面の明るさだけでなく、見る内容や見る場所も大切になります。たとえば、新しい動画や続きが気になるコンテンツ、メールや連絡など、頭を使うものは脳を覚醒させやすくなります。寝る前に「少しだけ」と思って見始めたものが、かえって眠りに入りにくくすることもあります。

スリーププランナーからは、寝床でスマートフォンを触る時間を減らすこと、スマートフォンを見るなら座っている状態で済ませること、眠くなってから寝床に入ることを提案しました。

宇田選手は、自宅では「寝る」となってからベッドに行くことが多いと話していました。この点は、すでに良い習慣として続けられている部分です。一方で、海外滞在中などは、どうしてもベッドの上で過ごす時間が増えることもあります。そうした時には、寝る場所とくつろぐ場所をできる範囲で分けること、寝床でスマートフォンを見続けないことが、睡眠を守るひとつの工夫になります。

———朝の光と朝食は、夜の眠りにもつながる

睡眠相談では、夜の過ごし方だけでなく、朝の行動についても確認しました。宇田選手は、朝食を必ず食べ、また、家にいる時にはカーテンを開けることも意識しており、部屋を選ぶ時にも光が入ることを意識しているそうです。朝の光と朝食は、体内リズムを整えるうえで大切な要素です。夜の眠りを整えるためには、夜だけを変えればよいわけではありません。朝に光を浴びること、朝食をとることは、体に「一日が始まった」という合図を送る役割があります。そのリズムが整うことで、夜に自然な眠気が出やすくなります。

宇田選手は、朝の光や朝食についてすでに意識できている部分がありました。睡眠相談では、課題だけでなく、すでにできている良い習慣を確認することも大切です。良い習慣を土台にしながら、改善できる部分を見つけていくことで、無理なく続けやすい睡眠サポートにつながります。

今回の相談で気を付けたこと

今回の相談で大切にしたのは、宇田選手の睡眠を一方的に評価することではありません。

睡眠時間は取れている。朝食や朝の光も意識できている。寝る時にベッドへ行く習慣もある。そうした良い点を確認したうえで、質や規則性、寝る前の入浴タイミングなど、度々環境が変わる中で最高のパフォーマンスが求められる際にどんな環境でも取り入れやすいポイントを一緒に探していきました。仕事、家庭、運動、移動、ストレス、生活リズム。眠りに影響する要素は、人によって異なります。だからこそ、その人の生活に合わせて、続けられる改善策を見つけていくことが大切です。

今回の宇田選手への睡眠相談でも、睡眠データをもとにしながら、本人の感覚や生活習慣と照らし合わせて、改善のヒントを整理しました。

———相談を終えて

相談の最後に、宇田選手はこのように話していました。

「睡眠に対しては向き合うようにしている意識はあったんですけど、実際にはやはり質が低い。寝ている割には疲れが取れていないんだなというのは感じました」

そして、改善することで、「より日々のパフォーマンスにも活かせるのではないか」という気づきがあったそうです。さらに、普段何気なく行っていたことについても、「当たり前にやっていたことを、より意味を持って行動できるようになる」と感じたと話してくれました。

睡眠は、毎日のことだからこそ、なんとなくの感覚で済ませてしまいやすいものです。しかし、データと対話を通じて見直すことで、「なぜ疲れが取れにくいのか」「どの習慣を変えるとよさそうか」が少しずつ見えてきます。

睡眠に悩む人へ

トップアスリートも、睡眠の悩みとは無縁ではありません。むしろ、日々のコンディションがパフォーマンスに直結するからこそ、眠りへの意識はより重要になります。今回の宇田選手の睡眠相談は、睡眠を“感覚”だけで捉えるのではなく、データと対話を通じて、自分の眠りをより深く理解する機会となりました。

「寝ているのに疲れが取れない」「寝つきに時間がかかる」「夜中に目が覚める」「生活リズムが乱れやすい」

皆さんの周りにも睡眠の悩みを持っている人はいませんか?

スリーププランナーの知識を活用して、周囲の人の眠りを一緒に見直していきましょう。

※撮影:NTT東日本広報室

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