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2024.11.16
コラム

睡眠コラム|人体の不思議ー風邪の時はなぜ眠くなるのか

風邪をひいたとき、いつもより強い眠気を感じた経験はありませんか。「体が疲れているから眠くなるのだろう」と思いがちですが、実はそこにはきちんとした生理的なメカニズムがあります。今回は、風邪と睡眠の深い関係についてご紹介します。

風邪のウイルスが体内に侵入すると、免疫システムが活動を始めます。このとき、細胞と細胞の間で情報をやり取りする「伝達物質」が活性化されます。この伝達物質が炎症反応を引き起こし、発熱やのどの痛みといったおなじみの症状があらわれます。そしてもうひとつ、この伝達物質には「脳に眠気の信号を送る」という働きもあります。つまり風邪のときの強い眠気は、体がウイルスと戦いながら、同時に「余計なエネルギーを使わず休め」と指令を出しているサインなのです。

では、風邪のときの睡眠はどのような状態になっているのでしょうか。睡眠には大きく分けて「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」の2種類があります。ノンレム睡眠は体を深く休める眠りで、レム睡眠は脳が活動しながら記憶の整理などを行う浅い眠りです。風邪をひいているとき、体はノンレム睡眠を増やして身体の回復を優先しようとします。一方でレム睡眠は減少します。これはレム睡眠中に体温調節機能が低下するためで、発熱状態を維持してウイルスと戦い続けるために、あえてレム睡眠が抑制されると考えられています。

しかし、眠気が強くなる一方で、風邪のときは睡眠の「質」が落ちやすいという側面もあります。その主な原因は2つです。

発熱によって深部体温がうまく下がらないことです。通常、人は眠りにつく際に体の内側の温度(深部体温)を下げることで深い眠りに入ります。ところが発熱中はこの体温低下が起こりにくく、スムーズに深い眠りへ移行できません。

②身体の痛みや発熱そのものによって夜中に目が覚める「中途覚醒」が増えることです。眠れているようで、実は何度も目が覚めている―これが風邪のときに「ぐっすり眠った気がしない」と感じる理由です。

風邪をひいたときに眠くなるのは、体がウイルスと戦うために不要なエネルギー消費を抑え、回復に集中しようとしている自然な反応です。眠気を感じたら無理をせず、しっかり横になって体を休めることが回復への近道といえます。また、睡眠の質が落ちやすい時期だからこそ、室温や湿度を整えたり、身体の痛みをやわらげたりと、眠りやすい環境を意識することも大切です。

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