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2026.06.14
コラム

睡眠コラム|雨音が眠りを誘うのは、外の音を「隠して」いるから?!

雨の夜、窓に打ちつける雨音を聞きながらいつの間にか眠っていた、という経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。あの心地よさには、ちゃんとした理由があることが研究からわかっています。

雨音が眠りを助ける仕組みのひとつが、音の「マスキング効果」です。雨音のような一定のリズムを持つ音は、音の大きさが急に変わりにくいという特徴があります。この安定した音が、生活音や車の音など突発的に飛び込んでくる騒音を目立ちにくくしてくれるのです。眠りを邪魔する音を完全に消すのではなく、雨音の中に溶け込ませるように隠すことで、脳が余計な音に反応しにくくなり、眠りに入りやすい環境が整います。

睡眠研究で近年注目されているのが「ピンクノイズ」です。ピンクノイズとはホワイトノイズよりも少し低く、やわらかく聞こえる音のことで、雨音や滝の音、波の音といった自然音も広い周波数を含む音としてピンクノイズに近い特徴を持つことがあります。2017年にパパランブロスらが行った研究では、睡眠中にピンクノイズを短く流したところ深い睡眠の脳波活動が高まり、さらに翌朝の記憶テストの成績も上がったことが報告されています。深い眠りを促すだけでなく、記憶の定着にまで良い影響が出たというのは興味深い結果です。

ただし音を流し続ければ良いというわけではありません。バスナーらの2026年の研究では、ピンクノイズによってREM睡眠が短くなったという報告もあります。REM睡眠は記憶の整理や感情の処理に重要な役割を果たしているため、これが減少することは好ましくありません。雨音や自然音を睡眠に取り入れる際は、音量は小さめに、流す時間も短めにすることがポイントです。タイマーを設定して眠りに入るころに自動で止まるようにしておくと、必要以上に音にさらされることなく、良い部分だけを活用できます。

雨の日の夜に自然と眠くなる感覚は、気のせいでも偶然でもなく、音が持つ睡眠への働きかけによるものかもしれません。眠れない夜に試してみる価値は十分にあります。ただし心地よいと感じる範囲で、小さめの音量で短めに取り入れることを忘れずに。自然の音を上手に借りながら、今夜の眠りを整えてみてはいかがでしょうか。

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